生春巻き - Asia Production Service Co.,Ltd.

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生春巻き

生春巻き

タイに来て30年近いんですが、当時問題だったのはやっぱり食べ物でした。子供心になんか屋台で食べるのは汚い感じがしてましたし、実際当時の衛生観念はかなりひどい物でした。でもそーゆーのは慣れるもんですね。今じゃ隣がごみ収集場でも食事が出来てしまいます(ぇ?それはそれで問題??)。
そして、現在タイで食べられ無い食べ物というのはほとんど無くなっております。まぁ値段の上限というのを無視する事が条件ですが(笑
 
そんな中でどうしても美味しく食べる事が出来ないと、個人的に思ってる物に「春巻き」があります。
こう日本で食べる春巻きと、どうしても中身が違うんですよ。
ところがベトナムに行くと春巻きが美味しいんです。国も近く、中国文化も沢山取り入れてるのにこの違いはなんなんだ!ととても悔しく(ぉい)思うありさまです。

そんなベトナムに生春巻きという料理があります。名前聞いただけだと???ってなるのですが、今では誰でも知っている料理だと思います。
そもそもベトナムで食事をすると、韓国料理で食べる時のようにやたら葉っぱ系の野菜が頼んでもいないのにてんこ盛りでザルに入ってきます。これで料理を巻いて食べろという事なのです。で、同じく巻いて食べるという事で生春巻きの存在があるのではないかと個人的には考えております。

ベトナム生春巻きに必要な食材はライスペーパー、茹で豚スライス(ちょっと脂が付いてたほうがよろし)、ゆで海老、ニラ、本当はブンという米から作った生めん(入手困難でしょうからビーフンで代用)、軽くゆでたモヤシ、チシャ(焼肉食べる時に出てくるレタス)。
ここまでなら癖も無く美味しく食べられるでしょう。しかしベトナムではこれに続いて、ミントの葉、どくだみの葉とつづきます。

ライスペーパーを水に浸してやわらかくします。あまり長く漬けると破れますので、この辺は何度か失敗して学んで下さい(ォイ)。本格的にやる場合は豚をゆでたお湯を使います。なんでもこの茹で汁でライスペーパーをやわらかくすると、巻きを失敗した際にやり直しが可能だそうです。水でやると完全にへばりついてしまうそうです。

やわらかくしたライスペーパーを大き目の皿に広げる。その際つるつるした面を下にする。その上に野菜、ハーブ、もやしを乗っけます。で、少し距離を離して茹で豚スライスをのせ、さらに海老を置き、ニラを長いまま置きます。
そして巻きます。WEBサイトで生春巻きの画像検索してそれを参考に何度か挑戦してみて下さい。
いいじゃないですか、失敗しても。売り物にするわけじゃないし・・・・。

で、これを自体には味が付いてないので、タレが必要になります。ベトナムでは味噌ダレを漬けて食べます。中国味噌(大豆が形で残ってる物)、にんにく、唐辛子、砂糖、ピーナツをミキサーでがーっ!とやってペースト状にして、鍋で煮て照りと粘りをだします。中国味噌が入手不可能の時は、赤味噌や白味噌を使用すると良いかと。あとは、食べる前にライムや、ナムプラー(醤油はあわなさそうです)で味を調えます。

で、このタレに先ほど巻いた春巻きを漬けてかじって下さい。なお、春巻き側にどくだみを入れすぎるとものすごく生臭くなりますのでご注意。このどくだみ、植物の癖に生臭いって何事よ!?

なんでもベトナムでは女性が料理出来ないというのは言語道断だそうで、子供の頃から母上の料理の手伝いをするそうです。で、一番最初に手伝う料理がこの生春巻きだそうです。

文: おもだか まさし

アジア旨いもの紀行


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