村民パワー
カンボジアでは乾期の12月になるとトンレサップ湖辺に遠くの村からも農民が牛車を連ね村ごと移動して来る。この時期、湖で獲れる魚を原料に1年分の「ブラホック」と呼ばれる彼らの食生活に欠かせない醗酵魚味噌作りが数日かけ各村単位で始まる。
そこには臨時の大集落が出現し連日総出で作業が行われる。
まさに総力大結集の村民パワーが発揮される。
ぼろ布や古いビニールシートを張っただけの粗末な仮住まい、質素な身なりの農民たちだが、その顔と姿は生き生きとしていて楽しそうだ。
そうした彼らの姿を見ていると、これが本来の人間の営みの基本だったのではないだろうかと思った。
彼らには笑顔があり、あふれんばかりのパワーがある。
写真・文: Mac