物凄く暑かった日々が過ぎ去り、秋をぶっ飛ばして冬に近い気候になったと聞いておりますが、みなさまお身体くれぐれもご自愛下さい。
貝ネタが続いたので、そろそろお肉にでも戻りますか。
東南アジアへお出かけになった方は、屋台等見物された事があるかと思います。
その時、ガラスケースにぶら下がっている白いにわとりさん、なんか赤い塊になってる物体、同じく赤っぽい鳥を見た事があると思います。まぁ見る人が見ればそれが何かは、すぐに判ると思われます。
そしてもう一つ茶色っぽい物体がぶら下がってるのを見た事があると思います(ぇ?覚えてない? そーですかぁ・・・)。
その茶色い物体の正体は!!!!
ええ、単なる皮付き豚の三枚肉の塊なんですけどね。
タイ語でムー・グロップと言います。ムーゴップと聞こえますが、発音を間違えると蛙の手となりますので注意です(食う所無いしなぁ)。
ムーは豚、豚肉という意味で、グロップは、カリカリ・ポリポリした歯ごたえの様な意味があります。日本では皮付き皮無しの三枚肉バラ肉ですが、これの塊系ですと、ほとんど煮物として調理しますね(角煮とか角煮とか角煮とか・・・・)。
タイ他中華系が多く入っている国ではこの皮付きバラ肉の塊をちょっと別の調理法をします。
どーするのかというと、揚げるんです。
知り合いの店から聞いた話ですと、大体2kgぐらいの皮付きバラ肉を軽く焼いて毛の剃り残しが無いようにします。
その後たっぷりの水で火の通りがミディアムレア程度になるまで煮ます。取り出し塩をメインにして醤油、にんにく、個人的好みの調味料を合わせて味付けをします。
その際フォークで全体的に刺して味が染み込み易いようにします。この時”憎いあんちく○○○の~顔めがけ~”と鼻歌交じりにやるとより一層効果的です。
しばらく味を染み込ませる為に放置。暇でしたら1日放置だそうです。味付けが終わったら陰干しします。東南アジアは暑いので腐敗の進行が早いので必ず陰干しで扇風機も使います。大体1~2時間ぐらいかけて干して、いよいよ揚げに入ります。
大きめの中華鍋に豚バラ肉の塊を入れて、これが全体的に浸るぐらいに油を入れます。
ラードなんか使うと香ばしいでしょうけど、コレステロールが心配ならサラダ油でも・・・。
初めは中火でとろとろと、揚げるというより煮る感じで火をじっくり通していきます。この辺は長年の経験で火が通ったかどーかわかるそうですが、心配な人は20分後、10分後と、串をさして、透明な肉汁が出るまでチェックすると良いそうです。
して、火が通ったら、油の温度を一気に上げ、狐色に揚げます。狐色になったら、火を止めて、網の上に取り出して油を切ります。
そしてしばらく放置して冷まします。これによって冷めた時に外側の皮の部分がパリパリ、サクサクになります。
これ下手糞が作ると、皮の部分がガチガチになったりフニャフニャで噛み切れない物になったりするそうです。
さて、こうやって出来た物を、あとは、ガラスケースにぶら下げて完成。
どうでしょう?
角煮以外の料理法として、そしてちょっとした保存も利くので、なかなかよろしいかと思ったりします。
では、今回はこの辺で。m(_ _)m礼。
あ・・・じゃぁどうやって食べるのかというと、まず、このムーゴップ自体の味を一番感じられる食べ方です。
塊からこぅトンカツ用肉を取り出すように切り出し、さらにそれをステーキを食べる時の様に切って、ご飯に乗せて食べます。
お店ではこれになにやらヘンテコリンな甘ったるいグレービーソースっぽいものをかけるのですが、私はいつもそれは拒否しております。
他に、このムーゴップは食材その物としても使われ、菜っ葉やブロッコリー等と一緒に炒める、一種肉野菜炒めのようなものになります。
文:おもだか まさし