タイ料理の中で「ヤム ウンセン」という料理もなかなか人気があり、最近の日本人もよく知っていて「ヤム ウンセン」とリクエストしますから、日本人の口にも合うのでしょう。
”ヤム〟とはタイ語で「かき混ぜる、混ぜ合わせる」という意味で、「ウンセン」とは春雨のことです。この春雨をほどよく戻し、湯通しした豚のひき肉、干し桜海老のみじん切り、玉葱のスライス、セロリの葉っぱ、ピーナッツ、にんにくのみじん切り、唐辛子のみじん切りを、酢またはライムの絞り汁で満遍なく掻き混ぜたものがヤム ウンセンです。
このヤムという言葉がつく料理は非常に多く素材が春雨なら〝ヤム・ウンセン〟、イカ(なら〝ヤム・プラームック〟となります。
屋台なんかでも必ずある料理で、酒の肴にも最適です。
簡単に言えば好みの材料をごちゃごちゃ混ぜて、酸っぱ辛く味つけしてしまえば、それがヤムなのです。
さて、この「ヤム ウンセン」を日本で作るには、まず春雨を水に3,40分ほどつけて必ずもどします。
次に、その春雨を20から30秒で、さっと湯がきます。ちょっと固めが基本ですが、それは個人の好みに合わせていただければ結構です。
そして大きめのボールに湯がいた春雨を入れ、そこにナムプラーを適量、ライムの絞り汁、粉末唐辛子、だしの素をお湯で溶いたものを、自分の好みの量だけ味をみながら入れます。更に砂糖を加え(これは三杯酢を作るように)満遍なく混ぜます。混ぜるには、しゃもじを使うと便利です。
ここで贅沢を言えば、〝ナムプリックパオ〟というタイの唐辛子ペーストを少々入れると、よりタイ風になるのですが。
あとは、皿に盛りつけて、お好きな方はパクチーの葉(コリアンダー)を飾って下さい。
また、他の材料で作るときは、その材料によって味が染み込むのに時間差があるので、混ぜて食べるまでの時間を少し調整することです。
牛肉(ヤム・ヌア)の場合は、ミディアムに焼いたものを短冊切りにして混ぜることと、胡瓜の輪切りを加えることをお忘れなく。
日本風にお刺身のヤムもイケると思います。個人的に作ったことがありますが、そのときは醤油をちょっと加えることと、ごま油を香りづけに入れると最高です。白身の魚の方もmたが旨いですよ。実は、この料理、夏バテで食欲がないときになど最適です。
写真・文:おもだか まさし