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タイ流ハイブリッド車(タイ)

 タイは「車社会だ」と云えば「えっ!」と訝る人がほとんどだと思うが、実はかなり以前からそうなのだ。
その理由は日本のように公共交通機関があまり発達しなかったからだ。それは何故かというと、タイはもともと農業中心の社会であったため、つい20〜30年前までそれほど移動手段を必要としなかったからである。
ところが経済の発展とともにそれが必要となってきたが発展の速度の速さにその対策が追いつかず、民衆は無理をしてでも車に依存するようになってきた。
何故ベトナムのように自転車、せめてバイクにということにならなかったのかと云うと、タイではやたら汗をかき汚れるのは労働階級と相場が決まっているからである。
結果、首都バンコクは「世界一の交通渋滞都市」という嬉しくない名称を頂いてきた。
昨今、政府はその汚名を解消すべく首都には高架鉄道、地下鉄まで建設し利用者も増えてきたが、不思議なことに交通渋滞は一向に解消される様子はなく雨の夕刻などは最悪な状態となる。
これだけ渋滞するのだから時間通りには目的地につかないことも頻繁にあるだろうと思うのだが、そこはタイ人、それほど気にしている様子はうかがえない。

ところが今回のガソリンの急高騰はタイでも深刻な問題となっている。
現在タイでのハイオクタンガソリン1リットルの価格は30バーツ、日本円で約90円である。
日本からすれば「やすいじゃない!」と思われるが、この30バーツという金額は一般のサラリーマンの昼食代に匹敵するものである。
そこでさすがのタイ人もまいり、車から公共交通機関に乗り換えるだろうと思った。
確かにガソリンの高騰に伴い公共交通機関を利用する人が急激に増えたが、道路の交通渋滞は相変わらずなのである。
不思議に思うと、何とガソリンに比べ3分の1も安い価格のガス(LPG)車に改造し乗っているのである。
それはトヨタ、ホンダなどの大衆車からベンツ、BMWの高級車にまでに至っているから驚きである。
通常何事にも悠長に構えているタイ人も、こうゆうことへの対応の敏速さには驚かされる。
ところで「安全基準は?」の問いに、「何!それ?」とくるから、また恐ろしい。

写真・文: 面高昌男