ナシ・レマ - Asia Production Service Co.,Ltd.

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ナシ・レマ

ナシ・レマ

今回は、マレーシアの食べ物のお話です。
マレーシアでの食べ物は大きく分けて中華かマレー料理なのですが、イスラム教を国教としているためアルコール類は全てダメ。ですからマレー料理レストランにはアルコール類は一切置いていないのでビールも飲めない! という事でせっかくマレーシアに居ながら中華料理レストランを巡る事が多くなるのが我ら撮影隊。

でも、朝食は別です。朝からビールはさすがに無いのでマレー料理を食べるチャンスなのです。そこで、今回マレーを代表する朝飯メニュー「ナシ・レマ(nasi lemak)」をご紹介します。

余談ですが、マレー語で米の事を[「ナシ」と言います。発音は梨と同じです。魚は「イカン」です。昔マレー(現在のマレーシア)に駐屯していた旧日本軍の兵士は「めしはナシ、魚はイカン」と覚えたそうです。
本題に戻りレマは本当は「レマック」と言い「油」の意味です。ですからナシ・レマとは油飯となります。「えっ!朝食に油飯!」ご安心を、別に油ギトギトのご飯ではありませんので。とにかくマレー料理入門編に、ある程度相応しい食べ物だと思います。このナシ・レマはバナナの葉っぱで三角形に包まれテーブルの上に置いてあったり、ロケ現場に売りに来たりします。これが、またなかなか旨く簡単に食べられるので早朝ロケなどのときは便利なのです

さて作り方ですが、ナシ・レマのご飯は普通の白いご飯ではなく、ココナッツミルクを使って炊き上げたご飯なのです。分量的には米とほぼ同じ量のココナッツミルクを使います。そこに塩少々と、東南アジアのヨモギに値する葉っぱ(バイトゥーイ:タコヤシの葉)を使い炊き上げます。すると何ともいえない香りが漂って来ます。日本で、この匂いを嗅いだら間違いなく異臭ですね。下手すると隣近所から苦情が来るかもしれません。
必然的にパラパラに炊き上がったご飯の上にチリソースで和えた小さい干し魚の揚げたものを乗せます。付け合せにゆで卵のスライスと、皮付きピーナツ。これを全部よく混ぜ混ぜして頂きます。このチリソースは、結構手が込んでいて各店で味が違います。基本はサンバルというマレーシア独特のチリソースです。東南アジアの食材を置いてある店でならすぐに大手メーカーのサンバルが入手出来ると思います。
自分で作りたいという奇特な方には、ざっとですが生赤唐辛子の種を取ったものを約10本、干しエビを大さじで約1杯ぐらい、ニンニクは好みに合わせ、小玉赤たまねぎ(じつは、シャロット)を2~3個。ガピと呼ばれるエビの塩辛味噌みたいなもの、これが入手出来ない場合は自作を諦めるべしというぐらいサンバルを作る時には重要なんですが・・・・まぁ なんかの塩辛でも良いんじゃないかな小さじ1杯ぐらいだし・・・これを全部ミキサーでドロドロにして、醤油と砂糖で味を付けます。小魚の干物ですが、オツマミに売ってる小魚の干物をカラッと揚げた物を使用すればばっちりだと思います。そもそも朝食なので、そんなに量を食べるものではないのですが、気に入って2つぐらい食べる人もいます。このバナナの葉っぱに包まれたナシ・レマを、開いた葉っぱの上で全部素手で混ぜ混ぜして、そのまま手で食べていただくのが一番美味しい食べ方ですと。説明した本人の右手にスプーンが握られてるのは内緒ですよ。






文: おもだか まさし

アジア旨いもの紀行


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