日本に居る私の友人が「ジンジャエール大好き」と言っていたことを思い出し、タイで売っている生姜茶のインスタントパックを彼に送りました。
生姜茶とは書いてありますが、生姜を砕いてお湯に煮出してそのエキスを集めて、乾燥させ砂糖を混ぜたものなのですが。
しばらくすると、友人から連絡があり「とても美味しい!」
家族にも大好評で、あっという間に無くなってしまった。
また今度送ってくれ!との事でした。
その彼としばらく彼と生姜茶の話をしてるとき、ふと「タイではな、この生姜茶と豆腐を一緒に食べるんだよ」って教えたのですが「うそだろう。そんなのありえないよ」と云って信じてくれないのです。
と前置きが長くなりましたが今回は、その生姜茶with豆腐のお話です。
時はずーっと遡って25年ぐらい前。私がタイに来た当時の話に戻ります。
学校から戻って来て10才違いの弟を相手に遊んでいたとき、外から「と~ふぁ~い、とーふぁ~い」と間の抜けたような掛け声が聞こえてきました。
すると、お手伝いさんが器を持ってダッシュ。外へ駆け出していきました。
何だろうと思って、ベランダから下を見ると、屋台車のおっちゃんに家のお手伝いさんが持って出た器に何やら入れてもらっているのです。
戻って来たお手伝いさんが弟を座らせ、その器の中身を食べさせはじめました。
ははぁーん、弟用のオヤツか?とその器の中身をみると・・・、なにやら薄茶色い液体に、小ぶりのカリントウがプカプカ浮かんでいて、器の底に何かのっぺりした白っぽい物体が沈んでいるのです。
それを、お手伝いさんが匙でサクサク刻んで弟の口の中に入れているのですが、その弟の顔を見ると「ふむ、うまそうに食ってるな。これならオイラも大丈夫かな」と思い、お手伝いさんから匙を取上げ一口パクリ。・・・?
「うぉ!激甘!耳が痛い!(注:私は余りに辛い物を食べると耳が痒く痛くなるのです)これは一体なに?少し落ち着いて味わうと、モロ生姜味!
「これはなに?」と、つたないタイ語で聞くと「とーふぁい」との答え。
いかん、これじゃ全然わからん、と表に飛び出し遥か彼方を行く屋台めがけてダッシュ!追いつき見学。
七輪の上で、でっかいヤカンがしゅーしゅー湯気だしており、その横に、またでっかい桶が屋台にでんとセットされていました。その桶の蓋が開けられるのを待って中を覗くと真っ白いよりはチョッと黄色っぽい物体が入っていました。それをじーっと良く見るとどうやら・・・豆腐?? あ、豆腐だこれ。だったのです。
そこで翌日また屋台が来た時に、今度はオイラの分も頼んでもらって弟と一緒にじっくり食べてみました。そこでわかった事は、豆腐だ。甘くないカリントウが浮いてるんだ。生姜湯に砂糖たっぷりぶち込んでる液体なのだ。ただ、それだけのの物なのだ。
でも、なんかうまい・・・・・変なハーモニーだ。
豆腐と生姜が合わない訳がない。ただオイラには甘すぎるだけだ。
というわけで、皆様も一度お試しあれ。
え?作り方ですか。
絹ごし豆腐を適当な大きさに切って熱い生姜茶をつぎ込みカリントウを浮か食べて下さい。
そう砂糖の入れ加減が結構美味しく食べられるコツかも。です。
いや、本当ですってば!食い意地の張った私が云うのですから。
文・おもだか まさし