知り合いのレストランがチェンマイの郊外にあります。そこのオーナー、気分屋なので営業していない時も多々あり、行く人は前もって確認してから行く必要があるという、なんとも言えないレストランです。
で、そのレストランで別に売りにしてるわけでもなんでもないのに、やたらオーダーがあるメニューがあると言う話を聞いたので、その料理を今回は紹介してみようと思います。
その名は「ヤム・タカイ・クン」と言います。タイ料理を食べたことのある方にはヤムという言葉とクンという言葉には聞き覚えがあるかと思われます。ヤムは「混ぜる・混ぜ合わせる」と言う意味で、レストランのメニュー内では、酸っぱくて辛い和え物と覚えてくだされば間違いは無いです。
クンは、どー聞いてもクンなのですが、タイ文字から表記すると、実はグンなんです。要はエビです。このエビですがこの数年タイ国内で非常に質のよいエビが食べられるようになりました。どうも輸出に回っていたハイグレードなエビが国内消費に向いて来たようです。こっちに暮らしている人でエビ好きの人には願ったりかなったりの状況でしょう。
で、タカイ。これは何かと言いますと、実はレモングラスというハーブ草であります。
この名前が出ましたら、「あーっ、あれねアレ!」。そう、アレです。タイ・マッサージの中に、ハーブマッサージと言うものがあり、そこで使われるハーブボールのほぼ主役の草です。匂いはまさにレモンと言って良いでしょう。マッサージだけでなく、料理の材料にもなります。主に香り付けに使い、その物自体は食べることはありません。
ところが、このレモングラスを香り付けではなく、完全に食材として食べてしまうメニューが今回紹介する「ヤム・タカイ・クン」です。
必要なものは 当然レモングラス。生えて間もない、日本で似たような食材というと、はじかみ生姜になりますかね? とにかく若いレモングラスを使います。で、実際食べる部分は緑の葉っぱの所ではなく根っこの部分です。太い根っこの部分をごく薄く輪切りにして行きます。あー、面倒な人は卸し金についてるスライサーを使うと楽ですが、使用の際の注意と、自分の指先の安全をしっかり守って下さい。
なるべくタップリ用意しましょう。余った緑の部分はゴミ箱にポイするまえに、叩き潰してお湯に漬けておき、そのお湯で紅茶を作ると見事なハーブティーになります。お風呂に浮かべてレモングラス湯としてもよいでしょう。
続きまして、ヤムといえば、絶対に必要なのが唐辛子です。好みの量をみじん切りにして下さい。処理後間違っても「あ~○○が痒い」とかいって掻いたら駄目ですよ。悲惨な目にあいます。必ず手を洗ってからにしましょう。
次にこの料理で使うのは、赤たまねぎの小型の物ってずーっと思ってたんですが、これってちゃんと名前があるんですね。シャロットって言うそうです。いやー知りませんでした。
こちらの「MySelf【マイセルフ】~ハーブと身近な植物~」サイト様をお借りして説明とさせていただきます。。
http://www.geocities.jp/aaaself/syu--mi/ha-bu/esyarotto.html
このシャロットを皮をむいて薄くスライスしておきます。
タレはナムプラーとガムシロを混ぜてライム汁を絞って好みの味にして置きます。砂糖じゃなくてガムシロなのはその方が粘りが出て良いと、そのレストランのチーフが言っていました。ちゃんと溶かせば砂糖でも良いんじゃないかと思うんですが。
あ、エビを忘れてました。タイミングよく大安売りで売ってた冷凍エビをご利用ください。日本に入っているエビはその他の国のレベルより格段に高いのでこの冷凍エビで十分です。解凍して湯がいておいてください。背ワタがついてましたらそれは美味しくないし、生臭くなるので取っておいてください。
次に使うのがホーリーバジルの葉っぱです。日本では手に入らないと聞いたことがあるのですが、最近はどうなんですかね? 入手出来たら使います。なければ同種のスィートバジルで十分でないでしょうか? 葉っぱを毟っておきます。
次はミントの葉っぱを使用します。これは多分入手しやすいでしょう。これも葉っぱを毟っておきます。
で、ちょっと大き目のボールまたは洗面器を用意して、これら全部を入れて混ぜます。混ぜ終わったらちょっとつまみ食いして好みの味になっていればおkです。完成。
ヤムにつき物のニンニクですが、今回は出番がありません。なんでもレモングラスの香りとニンニクは合わないそうで、この料理には使わないのだそうです。
では、ハーブをタップリ美味しく食べて健康になっていただけますと幸いです。
写真・文:おもだか まさし