清めの儀式
マハムニ パゴダ(マハムニ寺院)の堂内の台座に安置されているマハムニと呼ばれる仏像は多くの信者の手により貼り重ねられた金箔で輝いている。その寺院では毎早朝といっても夜も明けやらぬ3時半頃からマハムニ仏の尊顔の清めの儀式が行なわれる。
詰めかけた善男善女の前で厳かな読経とともに、台座の上の高僧の手により尊顔に霧吹きで吹きかけられた清水が布で丁寧に拭われ、合わせられた唇の間も特性の歯ブラシで丁寧に磨かれる。最後は尊顔一面にオーディコロンを吹きかけ乾いた布で全体を磨き清められる行程が何度か繰り返される。
善男善女は、その清めに使われた布の切れ端をおし頂き、うっすらと薄紫色に変わりかけてた東の空を仰ぎながら帰途につく。
21世紀の地球の上にまだこんな世界もある。
2005年11月 ミヤンマー マンダレーにて、 写真・文 面高昌男