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ラオスでバスの旅はタイヘン@

 ラオスの首都・ビエンチャンから古都・ルアンパバーンまでバスで旅することになった。ガイドブックで調べると8時間とも10時間とも書かれている。いままでは飛行機で一気に移動していたが、「エアコンがきいたVIPバスの長旅でまた違うラオスを発見できるかも」という期待もあってビエンチャンの旅行社でチケットを予約。その際、座席も予約できるというのでこれは安心と右側3列目の席を予約した。バス乗り場の出発は朝8時、旅行社に7時に来れば送迎バスがあるというのでそれを利用することにした。

 翌朝、ホテルをチェックアウトし、開いたばかりのサンドウィッチ屋で大好物のカオチー・パテーを買い、6時50分頃に旅行社へ行くとゲストハウス兼のドアは鍵がかかっている。犬を散歩させていた近所のオバチャンが気を利かせてドアをドンドンと叩くと昨日チケットを手配した若者が寝ぼけまなこで出てきて、「もうすぐ来るから待っててよ」と言う。7時を過ぎても迎えは来ず、結局7時15分に乗り合いバスがやって来た。バスには先客が3人。ファラン(欧米人)の女性2人組みと同じくファランの若者。私が乗り込むとすぐに出発したが途中に立ち寄ったホテルで中年ファランを乗せて結局バス乗り場へは7時30分を過ぎて到着した。

 まあ、出発前に到着できれば予約はしてあるし、それよりも早く出来たての美味しいカオチー・パテーを食べたいとワクワクしながら自分が乗るはずのバスを探した。タイのようにピカピカではないがそれなりにリッチな匂いがするVIPバスを見つけて行き先を確認。そしてバッグを預けると、運転手曰く「あそこの事務所でチェックインしてね」 「ああ、そうか座席を確認するわけね」と事務所へ行って「すみません、昨日、座席の予約をしてあるんですが…」と聞いたが何だか話が通じない(言葉が通じないのではない)。

 係りの女性は私が差し出した前日購入のチケットを見つめたまま困った顔をしている。何だかちょっと嫌な予感。「このチケットでは座席の予約はできません。ここで座席番号の紙と交換します」「ええっ!そんなの聞いてないよ」…といっても既に後の祭り。時刻は出発間近の7時40分。他の乗客は手続きを済ませているらしく、バスのドアが開くのを今か今かと待っている。結局、最後に到着した我々送迎バス5人組が最後の座席番号を受け取ることになってしまった。

 私が受け取ったのは「41番」。
さらに嫌な予感。そう、41番から45番はバスの最後列、座席のリクライニングも無ければ、頭の上はクーラーが張り出し、他の客が「横2席+通路+2席」でゆったりしているのに対して最後列は5人掛けだったのである。同じ料金なのに他はVIPでこちらは奴隷船状態だ。
「こりゃあ、死ぬぞ…」一気に地獄へ落とされた感じ。もしも空席があれば移動できるかもと一瞬、期待してみたが、出発の8時まで続々と乗り込んでくるファランやラオス人でバスは満席での出発。嫌な予感は最悪の確信に変わってしまった。 (つづく)
 




(写真1)出発直前のVIPバス、ルアンパバーン行き

(写真2)出発後にくつろぐ乗客たち(天国組)

(写真3)もう寝るしかない地獄組み

                   

文・写真: 城戸可路