街角チェス
インドネシアはアジアで有数のチェス大国です。競技人口は300万人以上と言われています。
チェスを学ぶ学校があり、そこで学ぶ若者達はプロを目指して日々腕を磨きます。
街中でも公園や広場などあちこちで「街角チェス勝負」が繰り広げられています。
こちらはプロを目指すと言うよりは親父達の暇つぶし、というか賭けチェスでの小遣い稼ぎといった雰囲気でいたってのどかなもの。
ここはバリ島の中心地デンパサールにあるププタン広場。
ププタンとはバリ語で終焉を意味します。
19世紀末にオランダがバリ島に侵攻した際に、王を先頭に美しく着飾った親族や家臣が行列を作ってオランダ軍に向かって死の行進をしたところから、地元民に訊くと「ププタンってのは死ぬまで戦えってことさ!」とちょっと自慢げな答えが返ってきます。
その記念碑があるププタン広場のチェスコーナーにはご覧の通り巨大なチェス盤と駒があり、子ども達の絶好の遊び場になっています。
なかにはプロ顔負けの才能で駒を進めていく子どももいて、将来が楽しみです。
(2010年3月 インドネシア・デンパサール)
写真・文:城戸可路