バリ舞踊の発表会

デンパサールの中心にあるのがププタン広場。
ププタン広場はデンパサールの人々の憩いの場所で、散歩する人、サッカーする子供たち、何かを語らう恋人たち、周囲の歩道には屋台もありいつも賑わっている。
広場の一角にある記念像は、19世紀末のオランダによるバリ島侵攻時に人々が自決覚悟で立ち上がり行進した様子を描いたモニュメントだ。ププタンとはバリ語で「終焉」の意味だが、地元の人に聞くと『死ぬまで戦えってことさ』とちょっと自慢げな返事。

とある週末、広場にインドネシア伝統音楽（ガムラン）が鳴り響き、豪華な衣装に着飾った子供たちとその家族らが集まっている。
聞けば毎週土日の午後4時から、デンパサールの舞踊学校で学ぶ子供がその成果を披露する晴れの舞台とのこと。レッスン料は月4回で200円なので塾のようなものか。
学校はたくさんあって持ち回りなので踊れる子供にとっては滅多にない名誉らしい。
どの子供も踊る姿は真剣で、トランス気味のその表情はプロ顔負けである。
そして、その子供たちに向かってカメラを構えるパパママたちの方がもっと真剣な表情なのだった。


(2011年2月 インドネシア・バリ島デンパサール)

写真・文：　城戸可路