タイの動脈 チャオプラヤー川
もう何年も前、「タイの水問題」という番組で取材をしていたとき、街頭インタビューで「チャオプラヤー川と聞いて何を思い浮かべますか」と若い男性に聞いたときに、「タイの動脈です」という答えが帰ってきたのを覚えています。アユタヤにあるポムペットというアユタヤ時代の要塞跡のところで東からのパッサク川と西からのチャオプラヤー川が合流するのですが、ここを通過する、4隻くらいの大型の積載船を牽引するタグボートを見ているとタイの動脈だという言葉がぴったりと当てはまるようです。
雨季には川の水が増えて流れも早くなるので、@の写真のように3隻のタグボートで煙を吐き出しながら牽引していたのが、水の量が減るとAの写真のように1隻だけで引っ張れるようになります。
Bの写真は少し珍しくて、チャオプラヤー川の下流から2セットの牽引船が仲良く並んできて、最初のはチャオプラヤー川へ左折して、次のは右折してパサック川に入る前の写真です。
上流から下流までは何日もかかるのか船内には家があり、家族があり、ペットがいるようです。一度はドキュメンタリーで牽引船の家族と一緒に船の旅をしてみたいと思っているですが、どうでしょうか。
*チャオプラヤー川*
ナーン川とピン川が交差する地点、ナコーンサワン県で始まる。全長372キロメートル。
北部に水源をもつ支流を含めると、総全長約1200キロメートル。
写真・文: 森田次郎