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チェンマイの小京都? ワット・ウモーン界隈を歩く

 チェンマイで瞑想寺として知られる「ワット・ウモーン(ウモーン寺)」へ行った。ガイドブックにもあるようにこのお寺は14世紀頃にマンラーイ王によって建立されたと伝わる瞑想修行の寺で、門を入るとタイの寺院らしからぬうっそうと樹木が茂った中に建物が点在していた。

「ここを歩くだけで森林浴ができる、いいところだなぁ」というのが第一印象。奥へ奥へと進むとその先にトンネルとチェディ(仏舎利塔)があった。トンネルの横には首のない、また首だけの苔むした仏像が置かれている。ワット・ウモーンの「ウモーン」とはトンネルという意味である。トンネルの中に仏像があるというのはガイドブックを読んで知ってはいたが、実際に見ると不思議な感じがする。週末のせいか、家族連れや学生グループがひっきりなしに入ってきて線香に火をつけ賽銭を入れて拝んでいく。

トンネルの外にはチェディへ通じる石段がある。ワット・ウモーンのチェディは「ベル型」と呼ばれ、北タイでは珍しい形だそうだが、知ってか知らずか学生グループにとっては記念撮影の背景でしかないようだ。

このお寺の敷地内で目立つもの、それはあちらこちらに設置された「椅子とテーブル」、そして英語やタイ語の「メッセージボード(看板)」である。石でできた椅子に座りテーブルに向かって若い僧侶がノートパソコンを開いていたり、学生が勉強していたりする。また数名の僧侶達が熱心に語り合う光景も見られた。
そしてメッセージボード。道に面した木々にくくりつけられたそのボードには、哲学めいた文章や高僧の言葉が手書きで記されている。
例えば
「A good man does not extol himself. A cleaver man never boasts. A great man never brags.(良い人は自らを褒めちぎることはない。聡明な人は決して天狗にならない。偉大な人は決して自慢話をしない)」……、
おそらく数百枚はある。これらを1枚1枚読みながら、書かれている言葉を噛み締めて歩けば、一般人の我々にとって十分な修行になるかもしれない。


(写真1) 幻想的な世界

(写真2)トンネル入り口

(写真3)トンネルの中にある黄金色の仏像

(写真4)哲学のメッセージ 


文・写真: 城戸可路  (タイ・チェンマイ)