コムヘン - Asia Production Service Co.,Ltd.

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コムヘン

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過日こちらのデカイ系スーパーマーケットに帰宅の途中で寄りました。
ダイエット中であろうと、食べる事は大好きな私、当然食材売り場をチェック。
海鮮エリアを何気にふと見るとアサリの剥き身が山になって売っていた。
剥き身だからすでに湯通ししてあり、そのまま食べるのもOK状態。
この頃殻付きの生アサリって見てないな。牡蠣も剥き身になってる事が多いな・・・って書いたら今日帰りにスーパー寄ったら殻付きのアサリがこれ見よがしに売ってた・・・。
エスパーでも居るのかな。

というわけで(例によってどんな訳なのかと、ツッコミを受けて)、
今回は貝の剥き身で思い出したベトナムで食べた貝ご飯をご紹介。

そやつの名前は「コムヘン」といふ。
ベトナム中部フエの名物料理です。
このフエには世界遺産が結構あったりするので、
このサイトをご覧になる方々は取材等で行かれた事がある方も多いと思います。
このコムヘン、器の上にはベトナム料理の特徴でもある香草、野菜の類がこんもりで、出てきた時はどこがどう貝の混ぜご飯なんだという見かけですが、ちゃんと貝ご飯なんです。

というわけでフエで一番美味しいと言われるお店からうちのベトナム取材時の担当者が聞きだしてくれたつくり方をここにご紹介。

まず貝を綺麗に洗っておきます。
鍋にお湯を沸かします。
その中に塩、生姜、ベトナムのエビの塩辛を少々入れて置きます。
沸騰したら、貝をどどどどーっと入れて約5分茹で、貝が口をあけたら全部取り出します。
茹で汁は漉して取っておきます。
家族総出で茹でた貝から身をほじくりだします。
器、丼系を2個用意します。
取り出した身を今度はごま油の類と刻んだ葱とで軽く炒めます。

自作のラー油を作ります。
鷹の爪の類、エビの塩辛、レモングラスを刻んだものもいれ油で煮る感じにして、その油を使用。

ピーナツを用意しておきます。
豚の皮を揚げてお煎餅に近い状態にした物を用意。
少し固めに炊いたご飯を用意し、冷や飯状態にしておきます。
軽く湯がいたモヤシ、刻んだレタス、千切りにしたバナナの芽を用意。
これで準備はOK。

丼にご飯をよそいます。
その上に貝を乗っけます。多い方がより味が濃くなります。
ピーナツ、豚皮せんべいを入れます。
味付けオイルをかけます。野菜を乗っけます。
これでご飯側は完成。

先ほど、漉しておいたスープをもう一つの器に入れて、ご飯と一緒にお客さんに出します。


さて食べ方ですが、
ご飯側は全部マゼマゼしてかっ込むようにして食べるなり、上品にレンゲですくいながら食べるのも良し。
こぅ日本人としては食べていくと、横に置いてあるスープをかけてお茶漬けのようにしてサラサラ食べたくなってしまうものです。
他のネット上やらガイドブックにも、汁をかけて食べると良く書いてあるのですが・・・・・・

実はですね、それをやろうとしたらお店の人が Σ(・口・) 本当にこんな顔したんですよ。
気にせず、コンティニュー!と 汁をかけようとしたら、ついに止めが入りました。

お店の人曰く、日本人が特にその汁をご飯にかけてこのコムヘンを食べるのだが、本当は違うのだと。
多くの日本人は観光客だから黙っていたが、コムヘンの正しい食べ方はご飯側は全部マゼマゼしてスプーンですくって食べる。
合間合間にスープを飲むのが正しいのですと。
なんでお茶漬け風にしないのかなぁと聞いたのですが、「そういうものだと」の答え。
うーん。

このコムヘンに使用される貝は蜆です。
タイではあまり見かけないんですよね、蜆。
自分は蜆の味噌汁が大好きなんですが。
肝臓にもすごく良い貝だそうで。
砂抜きして、すぐ使うのではなく更に冷蔵庫へ1日置いておくとよりうまみが増すそうです。

で、どうやって殻から身をほじくりだすのかと言うと、湯がいた蜆の身は外れやすく、
ザルにあげてゆっさゆっさしているとポロポロ取れていくとの事。
でも日本で作るなら、せっかくですし、家族総出で仲良くホジホジしながら、日ごろ少なくなったなぁと感じる家族間の会話を楽しむのもよいかもしれませんね。

ぇ?うちはそんな事ナイって?
そうじゃない家族はより一層楽しく・・・
一人者の方は、
えー、この際これを期に真剣に相手を探すというのはどうでしょう?
プロポーズの言葉は「僕と一緒に蜆の身をホジホジしませんか」と(違!

文:おもだか まさし

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