プロフェショナル
何か珍しいものを目にすると、すぐに覗き込みたくなるのは一種の職業病だと思っている。
明るい表から入り、最初に目に付いたのが薄暗い土間に小さな灯火が卓上を行ったり来たりしている光景だった。
目が慣れよく見ると一人の男がそれを真剣な顔で動かしていた。
何だろうと図渦しく土間に入り込み見てみたら、何とアイロンをかけているのだ。
しかも、電気アイロンではなく骨董屋でしか見たことがない炭火を使うアンティークのアイロンだったので驚いた。
それよりも、その重いだろうアイロンを使う彼の手並みの見事さにしばし時を忘れ見入ってしまった。そして脇に、びしっと折畳まれ積み重ねられているYシャツ。
正にこれぞプロフェショナルだと感服した。
( ネパール ジャナクプル 2005年11月)