象耳魚ってもうすでに結構有名ですか??
今回は、タイの隣のまた隣、ベトナムの特に南部で食べられる料理をご紹介。
なお、日本国内用にアレンジしたものを後でご紹介しますので、
ご家庭で、仲間を誘ってパーティーで、裸電球の下、一人蝋燭を前に黙々と・・・楽しんでください。
はい、その料理に名前は、カー・タイ・トゥオン・・・カーは魚という意味で、ベトナム料理で魚を使う場合、カーという言葉が料理名の初めにつきます。
タイは「耳」という意味で、トゥオンは「象」ってそのままやんか!!
料理の名前かこれ??象耳魚・・・う~む~、このままでは刺身なのか、焼き物なのか、揚げ物なのかわかりませんね。
日本で言うと、お品書きに「さば」とか「あんこう」とか書かれてあるだけと同じ。
ちなみにこのカー・タイ・トゥオンは、学名はOsphronemus goramyといい、キノボリウオ科の淡水魚である。あの格好で木に登るのか?ムツゴロウならわかるが、ぞうの耳の形をした魚が木に登るのと亀がジェット噴射して回転しながら飛ぶか、巨大トカゲが尻尾を抱え込んで口から火を吐き空飛ぶのとあまり変わらないような気がしますね。
さて、冗談はともかく、淡水魚というものはすべからず食べるとなんとなく泥臭いというか土臭いというか、一種の生臭さとは別の香り、味があります。
この象耳さんも結構臭そうな感じの魚なのですが、今回の料理、丸ごと揚げちゃうんですけど、そうすると、あっさりとして、かなりしまった白身を楽しめます。食べてちょっとびっくり。
じゃぁ作ってみましょう。日本国内でわざわざOsphronemus goramyを入手するのは愚の骨頂。
別の白魚を使いましょう。うろこ付きで丸ごと上げるので、うろこを食べてもおいしい魚がいいかもしれません。
(現地では、逆立ってカリカリになったうろこをこそげ落とします)ってなことで、赤アマダイなんかがお勧めですが「誰がうろこなんか食うか!」って方は盛り付けた時に30cm以上の魚の方が格好いいので、鯛、やカレイなんかがいいのではと思います。
さて、丸ごとの魚からエラと内臓ははずしちゃいます。うろこはそのままでOK。
魚の両面に縦に(横でもいいですが縦の方がやり易いし、見た目もよい))3~4箇所背中から腹に(横の人はエラから尾ひれまで)切込みを入れます。
で、塩コショウを擦り付けて約5~10分置いときます。
魚が丸ごと入るなべを用意します。中華なべなんていいかも。
てんぷらでも作る感じで並々と油を入れて、高温で一気に魚を揚げてしまいましょう。
ついでににんにくのみじん切りも揚げちゃいましょう。これは、狐色になったら網ですくっときましょう。
魚の方は、なにちょっと焦げたって、黒っぽくなったってお構いなく。
盛り付けですが、剣山(小)を3つ用意して、御頭の下に一個。残り剣山2個に割り箸を1本づつ突き刺し、ならべる。
割り箸と割り箸の間が開くので、割り箸の真ん中ちょい上の辺りをセロハンテープで2本を巻いて、H のような形にする。
そのHの上の部分に魚の尻尾を置くとセロハンテープの橋が尻尾を支え、尻尾を上に向けて頭を下にした形に固定できると思います。
面倒な人は、剣山を真ん中においてそれに腹の部分を刺しておいてもよい。
後は、うろこを削り落として(アマダイ使用者はそのままうろこごと食べましょう。おいしいですよ)崩して食べるのですが、
これではただの魚のから揚げ。
せっかくですからベトナム風に行きましょう。
用意するもの:
*ライスペーパー
もうどこの食材店でも購入できると思われますが、無い場合、クレープでもナンでも春巻きの皮を湯通ししたものでも可能。食べる時は、水に軽く漬けてやわらかくして食べる。
*各種ハーブ
ご家庭で栽培している人がいる場合、これ幸いと収穫してしまいましょう。その際他の人の菜園からかっさらう場合、「観賞植物じゃないんだ、食って何ぼのものでしょう」というのを忘れずに、そして御礼も忘れず。(バジル、ミント、パクチー、しその葉、他なんでも。)
*各種スパイス
にんにくスライス、輪切りの唐辛子、粒山椒、なんでもOK
*レタス、チシャ等
ライスペーパーが出た時点でどうやって食べるかバレたようなものです。大き目のものの方が巻きやすい。キャベツは何故かあまり使われない。
*そうめん
現地では、ブンという米粉で作った押し出し麺を使用しますが、そうめんで十分。ゆでて、10cm長さに切っとく。
*ナムプラ
現地ではニョクマムと言うが、小生の作品の中では魚醤は全てナムプラーと呼称するルールがある。出汁、唐辛子、ライム、レモン等で自分好みの味にしておく。
*ナムプラーが嫌いな人 ポン酢、天つゆ、醤油。なんでもOK。
右利きの人対応食べ方。左利きの人はこれをチャンスに右利きにするか、右、左と書いてあるところを逆に行ってください。
左手のひらにライスペーパーを置く。レタスを広げてライスペーパーの上に置く。
そのうえにそうめんを適量置く。その上に、むしった魚のみを置く。競争なので、好きなだけ魚の身はむしっとく。
しかし、あまり大量に乗せ過ぎると巻けなくなるので、勘で限界を知る必要がある。
その上に好きなスパイスを乗せる。
この時点でいまだに左手を平らにしていると、非常にバランスが悪いので、指を内側に曲げるなりしておく。
さて、下四分の一を内側に折り曲げ、左でも右でも自分がやりやすいように下の折り曲げたところを持ち、巻いていく。
この際、中の物があふれたら、それは入れすぎ。次回に調整する。今回はあきらめて巻く。
後は、たれにつけてかぶりつきます。
なお、よりベトナム風にしたい人は、青バナナのぜんぜん熟してないもの、スライス、スターフルーツと呼ばれるフルーツのスライス、そしてどくだみの葉っぱを一緒に食べると、一層ベトナム風になります。
し・か・し、現地で食べた時、筆者は巻くのが面倒なので直接魚を食べていました。
すると、スタッフから「これ火が通ってないよすごい生臭い!」となりました。
変だな~~ということになり、魚をチェックしたのですが、半生どころか火の通り過ぎでカリカリ状態。
みんなで魚だけ食べると「淡水魚にしてはやはりうまい」という答え。あれ??じゃぁなにが生臭いのか??
となりまして、その時テーブルの上に出ていたものをみんなで一つ一つ口にしていくと・・・「ぐわっ!こ、これだぁ~」見ると、それは「どくだみの葉っぱ」でした。
某植物辞典に「乾燥させると生臭い味は消える」とかかれていました。
はっきり言って数あるハーブの中でも、どくだみだけはお勧めしません。
何で植物がこんなに生臭いんだ!!
写真・文:おもだか まさし